2011/11/14

米軍のアジア最重視、再重視の戦略の具体的内容とは以下のようです。

米軍のアジア最重視、再重視の戦略の具体的内容とは以下のようです。

日本ビジネスプレスの私の連載コラム「国際激流と日本」からです。

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/27679

http://kurokawa-hakuun.hr-party.jp/post/wp-content/uploads/2010/09/091012-M-8752R-072.jpg

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日本にとって歓迎すべき「アジアに帰る米国

 では、米軍は新しいアジアシフト戦略として、具体的にどのような措置を取るのか。パネッタ、クリントン両長官の発表や発言を総合すると、以下のような項目が浮かびあがる。

米国は日本と韓国という年来の同盟相手との防衛の絆を強め、深める。

・米軍はオーストラリアの駐留規模を拡大し、合同演習を増す。

・米軍はシンガポールに沿岸警備艦艇を配備し、太平洋からインド洋にかけての警備活動を強める。

・米軍はフィリピンへの艦艇の寄港を増やし、地元テロ対策部隊の訓練にあたる。

・米軍は中断してきたインドネシア軍の訓練を再開する。

米国インドベトナムとの防衛交流を進める。

 クリントン国務長官は米国のこうした動きを「新しい世界の現実への対応」とも形容した。日本などアジアの諸国にとっては「アジアに帰る米国」は歓 迎すべき対象である。中国が軍事拡張を重ね、国際合意を無視する行動を顕著にしている現在、超大国の米国の軍事強化はアジアでの抑止となり、安定を増す動 きだと言えよう。

 しかし、そう安心してもいられない。米国のアジア復帰が中国の膨張に対して本当に抑止や安定への実効をあげるのかどうか。

 まず上記の「強化策」を見ても、具体的な個々の措置はいずれも規模が小さく、ささやかな防衛策である。日本や韓国との同盟の強化や深化といっても、具体的な措置が浮かんでこない。

 そもそも米国のアジアでの防衛戦略自体が、いま幾多の障害に直面しているのだ。その種の障害は米国の「アジア・太平洋重視戦略」全体に大きな影を落としていると言える。その影はアジア側にとっての深刻な懸念ともなっているのだ。

米国の財政危機が国防費を直撃

 では、どんな障害があるのか。

(つづく)

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コメント(8)

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2011/11/02 22:59

Commented by third-seaman さん

シンガポールフィリピンインドネシア、ちょっとだけベトナム
これは注目ですね。

いずれも南シナ海です。やはりアメリカは海洋覇権は譲らない、という姿勢をみせてきました。

omodaru さん

逃げてるんじゃなくて、これ重要な報道ですよ。地図見てください。
この海域を通って中東の原油は運ばれて来るんです。日本もそして中国も。

2011/11/02 23:26

Commented by 古森義久 さん

third-seaman さん

アメリカは海洋覇権や譲らない。

これがいまのアメリカ当局の主流の考えだといえますが、いや譲ってもいいじゃないか、という意見が広がってくると、日本にとっても重大事でしょうね。

2011/11/03 00:14

Commented by 遠州報國隊 さん

To third-seamanさん

>この海域を通って中東の原油は運ばれて来るんです。日本もそして中国も。

たぶん、中国はそれに備えて、かつての「援蒋ルート」というか、ビルマルートを構築しようとしてますね。10月31日の産経に出てました。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111031/asi11103108130000-n2.htm

マラッカ海峡・スンダ海峡・ロンボク海峡が封鎖されてもいいように、という狙いですね。なので、米国は次にビルマを懐柔する必要がありそうですが‥‥ それとも、昔のように、北部高原地帯の少数民族を CIA を使って懐柔して、中央政府と反目させて、中共との間に楔を打ち込むのかしらん。

2011/11/03 01:44

Commented by dpal451 さん

 古森様 こんばんは。

 中国の軍拡は止まらず、アメリカでさえ中国の軍事的膨張を抑制するすべを持たないのが現実でしょうか。中国の軍事的冒険への危険性は日増しに増大しています。

 中国の軍拡が一体何を意図しているのか、想像はできますが本当のところは不明ですね。あるいは軍部の膨張を共産党ですら押さえられないのかも知れません。軍を抑制すると共産党幹部も反撃に遭い政治的に失脚することもあるでしょうから。

 中国共産党もソ連のように共産主義を広めるとは言っていませんので、対処の方法はむずかしい面はあります。しかし中国共産党の冒険を許せば、独裁弾圧地域が増えることは間違いないところです。

 いずれにしても、非民主的独裁国家というのは現実火薬庫のようなものです。何をするか分かりません。独裁体制そのものが戦争体制と言ってもいいでしょう。近年の戦争原因は大抵独裁政権が関係しています。普通の民主国家がそう簡単に戦争を好むはずがありませんから。

 そういう意味では戦後のアメリカは一手で独裁国家に対峙してきたとも言えます。デモクラシーの国でこれほど戦争を引き受けてきた国もありません。

 しかし、そのアメリカの力も弱まってきたと言えるのが現在です。上記の米軍のアジアシフト戦略に見るように、独裁国家の恫喝と横暴に対峙するためには、地域国家の連携が必要です。日本もはっきりその中に入るべきです。

 ところで中国国内の争乱、暴動のニュースを最近もよく見かけるようになりました。それにつれ共産党の弾圧ぶりも酷いようです。弾圧を受けるチベットでは若き僧侶の焼身自殺が頻発しています。焼身自殺はまさしく死をもっての抗議です。それしか今は抵抗のすべがないとすればどれほど追い詰められていることか。

 それに対し国際社会の反応は鈍いのが本当に情けないことです。中国共産党のプロパガンダと恫喝に負けるとすれば、それこそ人類歴史は100年後退し、暗黒社会になります。

2011/11/03 03:32

Commented by thinking さん

米国のアジア復帰が中国の膨張に対して本当に抑止や安定への実効をあげるのかどうか。
*或る「哲学者」が云っていた。
 「抑圧された『軍隊』は自由を求めて戦争する」、という様な事が書かれていたのを読んで、僕は「中国の事」を想像したね。

 中国は「共産党一党独裁の国」だから、軍部も共産党によって
「抑圧」されているのではあるまいか、
僕は、「中国共産党の言うことを、聞かない」中国軍部の「暴発」を懸念するが・・・。

2011/11/03 06:58

Commented by abusan123 さん

中国は「第2のソ連」と言う位置づけになりつつありますね。
冷戦構造は未だに健在と。

只、両国がガチで戦えば甚大な破壊を生じますし、そうなれば
共産党政権も危うくなる、中国とて実際の戦争に対しては慎重に
ならざるを得ないでしょう。人民解放軍とて損はしたくない。

如何に中国に隙を見せないかに注目ですな。

2011/11/03 08:05

Commented by 古森義久 さん

dpal451 さん

日本が自国の安全保障、そして地域の安全保障のためにするべきこと、歩むべき方向というのは、だんだん、いやでも明確になってきましたね。

2011/11/03 08:07

Commented by 古森義久 さん

abusan123 さん

ただし中国は冷戦時のソ連のような言動をとらないという実例がいくつもあることがアメリカ側に正面からの対決を自制させるという状態になっているようです。

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