2011/11/14

TPP についてヘリテージ財団の客員上級研究員の横江公美さんがタイムリーなインタビュー記録を発信しています。語った人はかつて日本でも広く知られたクレイト ン・ヤイター氏です。本来は農業の専門家で農業長官から通商代表を務めています。日米通商問題に詳しく、娘さんが日本の商社に勤務した日本通であること も、かつて話題となりました。

そのヤイター氏に横江さんがTPPについての見解を問い、とくに日本側で論題になっている重要点にも触れています。私にとってまず興味を引かれたのは、ヤイター氏が「TPPに日本が入っても日本の医療には大きな影響はない」と明言した点でした。

この時期に非常にタイムリーで内容のあるインタビューだと思ったので、その全文を転載させていただきました。

 

==========
ヤイターUSTR元代表にTPPを聞く

日米が貿易摩擦でぶつかり合った1985年から1989年に、通商(USTR)代表を務めたクレイトン・キース・ヤイター氏にTPPについて聞いた。ヤイター氏は、その後、農務大臣を務め、大学で農業を学んだ農業の専門家でもある。現在はDCのビジネスに関するHogan Lovells弁護士事務所で上級アドバイザーを務めている。
Q 日本では、米韓がFTAを結んだ直後から、急に、TPPへの参加が大きな議論になりました。野田首相がTPP協議入りの発表を先送りしたことで、本当にTPP協議入りするかどうかに焦点が集まっています。アメリカでも日本でもTPPへの反対の声は少なからず上がっています。TPPはアメリカにどんな利益をもたらしますか?
ヤイター:私は自由貿易論者です。TPPだけにかかわらず世界中の自由貿易を支持しています。戦後60年間、自由貿易は大きな富をもたらしました。今後60年間も自由貿易は大きな富をもたらすと信じています。
私が推進したNAFTA(北アメリカ自由貿易協定)は、アメリカとカナダそしてメキシコ間の貿易を3倍にしました。
TPPはアメリカと日本だけではなく、参加国の経済量を増加させます。
Q 日本にとってはどうですか?
ヤイター:日本が参加することになれば、経済だけではなく安全保障と外交にも利益ももたらします。日米の関係に加えて太平洋地域の多国とより強固な関係を築くことは、中国に強いメッセージを発信することになります。このことが中国のふるまいになんらの好変化をもたらすのではないかと思っています。
Q 日本では、農業関係者と医療関係者が先頭に立ってTPPを反対しています。
ヤイター:日本の農業のリーダーたちは、日本の農業は経済性の面から改革が必要であることはよく知っています。TPPに参加することで構造改革をもたらす可能性があります。TPP交渉では、農業と言えども交渉の例外分野にはなりません。
私 は医療分野はTPPに反対する理由にはならないと考えています。日本だけではなく多くのTPP参加国は心配し、薬や知的所有権についてレーダーを張り巡ら しています。しかし、ほとんどの問題は思った以上にシンプルで交渉できるものです。TPPができたとしても日本の医療に大きな影響が出るとは思えません。 日本だけでなくいずれの参加国も、医療を理由に交渉を台無しにするとは思いません。
Q 日本の牛肉についてはどうお考えですか?
ヤ イター:日米は牛肉について、終わりのない協議を行なってきました。これは一刻も早く解決されるべきです。日本がTPP協議を開始する前に、牛肉問題が解 決されることを望んでいます。アメリカの牛肉は日本でも人気があると聞いています。アメリカの牛肉の危険値は、ほとんど見つかっていません。
Q TPPの交渉でアメリカが他の参加国の意見と異なる分野はありますか?
ヤイター:他の国にTPPに関して優先課題があるように、アメリカにも、多くの課題があります。ただ、アメリカは、環太平洋地区で工業製品や農作物、そしてサービスが豊富になって経済が活性化することに興味を持っています。アメリカ政府はTPPが21世紀のための貿易協議になることを望んでいます。アメリカはTPPが世界のモデルになることを望んでいます。日本はまさにその目的を共有できると国であるととらえています。
TPP協議では、現在、参加国間で合意に達しない分野は多く存在します。これはどんな交渉でもつきものです。
Q アメリカではTPPはそれほど話題になっていないように思いますが…。
ヤイター:議会と経済界はTPPにはそれほどの注意を払ってきませんでした。とういうのは、韓国、コロンビア、パナマとのFTA自由貿易協定)に集中していたからです。これらのFTAには労働組合が反対していたので、確実な移行期の約束が必要でした。
これから、TPPは話題になっていきます。とりわけ日本が参加を表明した暁には、TPPはいっきに注目を集めることになるでしょう。
Q オバマ大統領は2009年東京のサントリーホールでTPPを発表しました。通常、労働組合を支持母体に持つ民主党自由貿易協定に反対ですよね。
ヤイター:民主党の議員のほとんどは労働組合と関係が深いため自由貿易協定に賛成票を投じることは難しいと考えています。そのため、今回、FTAが議会で通ったのは、2010年の中間選挙で共和党が下院の多数派になったからです。次回の選挙で共和党がさらに勝てば、TPPはより早く現実化するでしょう。ただTPPが合意してから、連邦議会が批准を認めるまでには、早くても2,3年かかるでしょう。
Q アメリカは多国籍交渉よりも、二カ国間での合意を好む傾向があるように思えます。
ヤイター:多くのアメリカ人は二カ国間よりも多国籍協議の方を好んでいます。ただ、現在の多国籍システムは、うまく作用していません。150カ国が参加するWTOで、合意に達することはほとんど不可能です。TPPは日本が参加して10カ国です。TPPは150カ国の参加に比べれば容易であるし二カ国間協議よりもさらに達成できることは多くなります。
Q 日本にはTPPではなく日米FTA締結のほうが良い、という意見もあります。
ヤイター:TPPがなければ、私は日米FTAを強く主張しますよ。しかし、現在アメリカ政府は、TPPを強く推し進めています。現在、TPPを飛び越えて日米FTAの議論に入るには無理があります。だからこそ、今、日本はTPPに参加するべきだと思っています。
Q 現在、オバマ大統領には、TPA(Trade Promotion Authority)が失効しています。TPP議会の承認が必要ですね。
ヤイター:TPP交渉が終わるまでには議会にTPAが認められることが必要です。これは「Fast Track」と呼ばれるもので、議会は「賛成」または「反対」票しか投じることは出来ません。米韓FTAの際には、FTAを通す代わりに、TAA(貿易調整支援)を作りました。しかし、多国間協議のTPPの場合は、議会は但し書き条項をつける力はありません。
通常、大統領はTPAは出来るだけ早い時期に欲しますが、だからといって早い時期に必ず必要というものではありません。
USTRが交渉期間中に議会と良い関係を構築していれば、TPPのためのTPAはそれほど難しくないと思います。
Q 現在、日本の製造業は円高で経営が逼迫しています。TPPは為替になんらの影響を与えますか?
ヤイター:円高ドル安なのでTPPを推進しているわけではありません。為替は貿易と投資の結果です。為替は政府が介入をおかなわない限り、市場が決めるものです。
Q ヘリテージ財団は、米韓FTA賛成の立場で研究を行なってきました。TPPにおけるシンクタンクの役割はありますか。
ヤイター:シンクタンクはすでにTPPから生じる利益の研究を始めています。交渉が進めば、さらに熱を帯びるでしょう。TPPの交渉中、私たちは参加国にとってTPPはどんな意味があるのか学びます。アメリカに大きく利益があるという信頼できる研究結果が出れば、議会は賛成せざるを得ません。
Q 2012年11月に大統領選挙があります。アメリカの政権交代はTPPになんらの影響をもたらしますか?
ヤイター:2012年の選挙はTPPには影響を与えるとは思えません。オバマ大統領はTPPを強く支持しています。一方、共和党は民主党以上に、自由貿易に賛成の立場です。少しでも経済が向上する気配が見えれば議会での保護主義の考え方は少なくなります。これから2,3年はさらにTPPに前向きになるでしょう。

インタビュー後記
アメリカではTPPの報道はほとんどない。日本の報道とワシントンの温度差を伝えられたらと思いヤイター氏へのインタビューを行なった。
インタビューから日本ではそれほど語られていない3つの異なる視点が浮上した。
1つはTPPは経済の活性化とともに安全保障も目的であること。ヤイター氏は、日本への便益として中国への影響をあげていた。
2つ目はアメリカはTPPを21世紀型の自由貿易モデルとして捉えていること。
 
3つ目は、TPPと議会との関係だ。遅かれ早かれ議会でTPAが承認される必要があるので、議員はFTAの時のように但し書き条項をつけられないとしても、承認の投票を行う。そこで、USTRの立ち回りやシンクタンクの研究が思った以上に重要になる。 
野 田首相は11月10日にTPP協議入りを発表する予定だったが、先送りされた。ヘリテージ財団の貿易研究の責任者のテリー・ミラーは「TPPでの日本の存 在感は大きいものです。もし日本がTPP協議に参加しなければ、TPPの参加国にとっても、そして日本の経済にとっても残念なことと思います。」と語る。
 野田首相が、TPPでリーダーシップを発揮することが出来るのかどうか、ワシントンの貿易関係者は注視している。

横江 公美
客員上級研究員
アジア研究センター

Ph.D(政策) 松下政経塾15期生、プリンストン客員研究員などを経て20117月からヘリテージ財団の客員上級研究員。著書に、「第五の権力 アメリカのシンクタンク(文芸春秋)」「判断力はどうすれば身につくのか(PHP)」「キャリアウーマンルールズ(K.Kベストセラーズ)」「日本にオバマは生まれるか(PHP)」などがある。

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2011/11/13 10:35

Commented by izatoru さん

> ヤイター:…。為替は貿易と投資の結果です。為替は政府が介入をおかなわない限り、市場が決めるものです。

米国金融緩和は?

> 横江 公美
> 客員上級研究員
> アジア研究センター
>
> 松下政経塾15期生

2011/11/13 12:32

Commented by kinny さん

現在の為替水準は日米両政府の方針もしくは誤った政策の結果である点、このヤイターオジサンはよほどの不勉強か、もしくは詭弁を弄しているね。

さて以前から予想していたとおり、アメリカは日本の参加を足枷ととらえており、やはり歓迎しない態度をあからさまにし始めている(というより過去の日米間の通商交渉に通じている者にとっちゃ当たり前のことなんだけど..被害者意識ってな目も当てられない妄想をひねり出すもんだね、つくづく)。

いずれにせよ主な敵は国内事情である。この点ではアメリカ政府も同じ立場だ。そして既得権の廃止と大規模農家への回帰が行われることでもっとも利益を受けるのは日本の国民生活だ。

そもそも現在の小規模多頭農業こそ、反米屋が好きな
「真にアメリカが日本に強要したもの」
なんだよね。
妄想してまでアメリカを攻撃したがる中学生に限って、なぜ
「日本の国民生活を圧迫している現実にあったアメリカの破壊」
を問題視しないのかねえ(笑)どういうこった?

だいたい、なぜ農業だけが不当に保護され続けなきゃなんないのか、合理的な説明なんぞ一度も聴いたことがないね。

日 本人を食わせ続けてきた町工場は後継者も得られず長い間何の保護も与えられずに日本中で首吊ってきたんだよ(それもシーリングという共産主義でもって財務 官僚が自身のプレゼンスを防衛する目的のためだけに)。それが他方「アメリカの押し付け」でできた細切れの農村風景を「守る」と称して、なんで国民の税金 をクソのように叩き込み続けるのか?

アメリカの大規模農業が農村を破壊する、という主張ほどの空疎もない。
もともと日本は過半が大規模農地だったんだよ。元に戻すだけなのだ。

二十一世紀にあってますます意味のわからない亀井静香共産主義利権をコナゴナに叩き潰して活力ある日本を取り戻すのだ。もちろんその残滓である革新官僚の子孫どもも一緒にね。

重すぎるぶら下がりに、日本はこれ以上、保たねえってんだよ。
昭和博物館どもはまだワカランか?

2011/11/13 12:49

Commented by 古森義久 さん

izatoru さん

現実の日米貿易交渉にかかわった人物のオンザレコードの発言にはそれなりの価値がありますね。

2011/11/13 12:50

Commented by 古森義久 さん

kinny さん

もしアメリカは日本のTPP加盟を望んでいないとなると、いままでの日本側のTPP反対派の主張の軸が奪われてしまいませんか。

2011/11/13 13:53

Commented by izaiza1219 さん

>TPPができたとしても、日本の医療に大きな影響が出るとは思えません。

そうですかねぇ。がっかりです。
尤もヤイター氏は、嫌味(論理で押してくる)で、喰えない(米国にとっては有能な)といわれた御仁だし、「大きな」という曖昧な表現に、「思えません」との 断定を避けた言い回しを重ねておられ、実際どうなるかは分かりませんよね。

私は、医療に関して“開国派”です。遠州報国隊さんら理論派の皆さんとは違い、(お粗末を重々自覚の)直感論ですけど。

ニッポン医療の崩壊につながると、日本医師会が呼号する例の自由診療の導入ですが、むしろ取り入れてほしいのです。(混合診療も当然だと思っています)
①おカネに余裕がある人に、高価な薬や施術をどんどん受けてもらう。
②使う人が多くなるほど、高価な薬や施術が低価格化する。
③低価格化すれば、利用者が増え、低価格化に拍車がかかる。
④結果として、私に恩恵が及ぶ。しかも先行的に使ってくれた人が安全性を高めてくれた分、安くて安全なものを享受できる。

また、
⑤自由診療をまじえた人にはいっさい健康保険を適用させないという現行方式は、日本の医療・日本の薬学の進歩を阻害し、医薬業界を間違いなく細らせる。
⑥欧米系医療機関が本邦に立地し、諸外国で経験を積んだ看護師らが働くようになれば、本邦医療労働者の待遇が改善され、患者にも余沢が及ぶ。

本来なら差額ベッドも廃し、健康保険で、すべての利用者がいま最上の病室を使え、最新の薬・施術も受けられるようにすべきだ、それが憲法第25条の精神だという医師会の主張は貴重ですが、それはユートピア(どこにもない世界)だと思うのです。

ヤイター氏は、医療はTPPで問題にならない(と思う)と見ておらるのか……長生きは、全く望んでいませんが、がっかりです。







2011/11/13 15:02

Commented by 古森義久 さん

izaiza1219 さん

おもしろいご意見ですね。

ただし攘夷派にへんなふうに利用されかねないスタンスかも。

2011/11/13 15:15

Commented by kinny さん

To 古森義久さん
元々、真の課題は政府の財務金融政策における明らかな矛盾の解消と、これまで同様、国内産業への過剰配慮によるメリット不全、といったところかと思う。ゴルゴダに憎悪を持ち寄る群衆については
「彼らは何もわかっていないのです」
としか評しようがないよね。
ともあれ前者は第二次産業における二義的な資本流出の呼び水となり、後者は国際問題を引き起こすと同時に国内へのメリットを漸減、勝者不在の日本的カオスの延命に一定の正当性を与えてしまう。

が、いずれもハラをくくって事に当たれば、日本政府が主体的に解決しうる問題であることに変わりない。
それができる永田町かどうか..小生はなおも不能だと思っている。普天間のひょっとこ踊りをくり返した日にゃ、日本外交は今後10年、上を向いて歩けないよ(宮沢以上の破壊力だと思う)。だが、消極的に肯定するなら、うまいぐあいに政界再編につながってくれるかも知れない、ということかな。

もちろんメディアの当事者が同じ主張をやるとなると明らかに過剰な政治性もしくは占いの類ということになるだろう。だから小生も仕事ではそんなことは書かないし書けない(笑)仕事じゃないから好きなことが書けているのだ

2011/11/13 15:33

Commented by 小野まさ さん

このインタビューで判ることは、
米国のその筋の権威(しかも部外者)に確認しないと見当が付けられない問題であること、その権威は「大きな影響はないと思う」という慎重なコメントを出しているということで、寧ろ「影響がある可能性が否定されない」と読取るべきではないでしょうか。
いえ「だからTPPヤメロ」と言っているのではなく、審議参加を国際公言した以上、十分な緊迫感(警戒心)を持って、政府と動向を監視すべきだということです。
判断ポイントは協定参加により産業や制度が改善するか否か(優勝劣敗の原理が働く仕組みか否か)です。協定参加に際しては、改善部分と改悪部分の量的比較も必要でしょう。

ぶっ ちゃけ、協定に参加すると当面は国民に混乱と苦痛を齎すのではないでしょうか。現状を変えられるのは誰でもイヤですから。ただ「スポイルされた産業や制度 は必ず堕落・腐敗する」というのは割合タフな真理と思われ、放置すると堕落産業・腐敗制度ばかりで日本沈没に至りかねないから嫌々参加するのです。逆に混 乱や苦痛を伴わなかったら意味がないと思います。
確定的ではない情報で変に国民を安心させるよりも、将来の問題を訴え、覚悟を求めるべきと考えます。

2011/11/13 15:42

Commented by maruoto010 さん

ヤイターさんは素晴らしい。

スケールメリットを活かした自国の利益増加を第一に考えている。
補助金を与えた上に貿易額も増やしてあげようという米国農家を如何に守るかを考えている。
自国の利益の為には甘言蜜語で相手を納得させてやろうと言う意識の高さは羨ましい。
日本にもこういう人がまた出てくると良い。

製造業への補助金には目を瞑り農家への補助金だけは許さないという自国の農家に誹謗中傷、罵詈雑言を浴びせる愛国心の無い輩に爪の垢を煎じて飲ませたい。

2011/11/13 16:05

Commented by kinny さん

To maruoto010さん
>自国の利益の為には甘言蜜語で相手を納得させてやろうと言う意識の高さは羨ましい。
>日本にもこういう人がまた出てくると良い。

本当に「こういう人」が出てきちゃったら
アメリカに利益を貢ぐポチだ!」
と騒ぐ「輩」が猛烈な勢いで涌いてくんだろうね(笑)目に浮かぶようだ

2011/11/13 17:20

Commented by maruoto010 さん

To kinnyさん

獲物を仕留めれば良犬、仕留められなければ駄犬です。
TPPによって日本に有利な環太平洋の経済のルールと金銭的利益を得られればポチでも良犬ですよ。得られればね。

2011/11/13 17:46

Commented by izaiza1219 さん

To 古森義久さん

>おもしろい意見ですね。

ギャッ! 文章がいまいちどころか、今3だから。
農業の問題も、打開策は一つだと思うんですよ。
例の秩禄処分に倣って、金禄公債を兼業農家に出すわけです。
坪1000円とかでなく、仮に1万円で政府が“買い取る”と、5反持っている農家は1500万円ですよね(計算違い?)。
年利0.1パーセントは今どき高利ですが、永久公債は0.5パーセントとして、農家には国庫から7万5000円の“年金”を支払います。
一代かぎりの農家100万戸の耕作地を仮に平均5反とすると、750億円で集められる。(金禄公債の利率は金融情勢に合わせ、五年ごとに見直すことにしてもいい)
貸与費として専業者から750億を徴収すれば、関連費用は事務経費だけで済みます。

日本農家の反当収量(600キロ前後)は世界断トツなのに、カリフォルニア米のほうが断然安いのは、反当収量が低くても耕地をたっぷり有し、一人当たりの生産量が断然高いから。ただ、それだけ?ですよね。

以前、アメリカの農業を見て歩いた折、30万頭40万頭の牛を10数人のカウボーイに世話させているのを見て参りました。日本では当時、50頭でも大型の肥育農家でした。
農家も見上げんばかりの大型耕作機で耕していました。広大な庭にプールを持つのも、むべなるかなと思ったものです。
日本の今の大型化は、あっちこっちに借りた田を、終日駆けずり回っている感じで、効率がとにかく悪い。

ただ、こうした案は昔からあったわけですが、兼業農家はもちろん、農協も農機具メーカーも、自民党から共産党までの政治家も、誰も彼も絶対反対です。
本格的な農業者が生まれ、一時に1000袋もの肥料を手当てするようになったら、肥料メーカーから直接買ったり外国から取り寄せかねない。これまでなら10袋ほどの肥料をおろし、お茶をふるまわれて世間話の一つもできた農協職員もたまったもんじゃない。

今の日本は、国際競争にもみくちゃにされながら、日々奮闘している先端企業とその下請けの皆さんに、国民すべてが寄食し、それなりに暮らさせてもらっている。今後もそう願いたい――、私たちの多くが望むのはそういうことなのだと思います。

…また、大記者に嗤われてしまいますけど。





2011/11/13 18:28

Commented by izaiza1219 さん

嗤われついでに。

条件さえ整えば、日本の農業は世界で冠たるものになると思うんですね。
これまでの工業がそうでしたから。

唯一の例外は航空機産業でしょうか。零戦などを有しながら、日本が航空機産業を今日欠いているのは、造らせてもらえなかったからですよね。
アメリカが絶対に許さなかっただけでなく、ヨーロッパもソ連もその点だけは旧連合国軍の連携を崩さなかった。

コンピューターも危なかったそうですよ。
佐藤内閣の時、電子計算機の国産品使用を官公庁や国立大学に義務付ける、秘密の閣議決定を行なっているのですが、あの時も国際問題になりかけました。
50パーセント、つまり6台導入する時は、3台は国産とするというギョウセイ指導だったわけですが、お陰で、富士通・日立・日本電気などが離陸できました。
当時、ISDsがあれば、IBMは日本政府からン千億?の保証を得ていたでしょうが、それこそ面白い?ことに、日本IBMの首脳らが国産勢が育つことを内心願っていた面がなくもないんですね。
そんなあれこれがあっての 今日の日本経済です。

ですから、TPPに参加した暁には、後発国が順調に伸びて行かれるよう、日本はアメリカを牽制しなければならない時は、そうしないといけません。
ただ、今の日本は、軍事を別とすれば、工業でもサービス業でも、潜在的農業力でも、アメリカより強いだろうと思います。話にならないほどお粗末なのは、銀行・保険などの金融の世界くらいじゃありません?

それだけに、よほど慎重に振るわないと、アメリカ官民の怒りを買い、航空機産業同様、身動きできなくされてしまう恐れがあります。

日本の国益を、アメリカでしっかりご覧になっていてくださることを、これまでにも増してお願い申し上げる次第です。

2011/11/13 18:40

Commented by unimaro さん

古森さん孤軍奮闘で大変そうですね、

でもなぜそこまで頑張るのかなぁ????????




2011/11/13 21:29

Commented by kiyomaro さん

To unimaroさん
>古森さん孤軍奮闘で大変そうですね、
>
>でもなぜそこまで頑張るのかなぁ????????


産経さんの意図する方向の逆に読者が振れると思いますね。逆効果というやつ。気が付かなくてもいいことに読者が気付きはじめているかもね。




2011/11/14 02:40

Commented by hoisassa さん

あ〜、ヤイターさんですか。

ウィキペディアですけど、
<ヤイターはカナダとの間での自由貿易協定交渉を行い、1988年1月に米加自由貿易協定を締結した。後にヤイターはこの協定について「カナダ国民は何に調印したのか理解していない。今後20年で、カナダ経済はアメリカに吸収されるだろう」と発言した。>

英語版でも
<On February 3, 1987 while discussing the Canada–United States Free Trade Agreement at a Brookings Institution seminar, Yeutter was quoted as saying the agreement would risk the lose of Canadian culture. The statement reflected the Canadian public concern that the free trade agreement would lead to unprecedented American economic and cultural dominance. Although the comment wasn't notable in the United States, it produced considerable controversy in Canada. In response to the comment Prime Minister Brian Mulroney stated in the Canadian Parliament that "his remarks showed a stunning ignorance of Canada".>

ってありますけど、どうなんでしょうか・・・

そういえば,去年のバンクーバーオリンピックの閉会式では何かやたらとカナダの愛国心に訴える演出が多かった事が印象に残りました。

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2011/11/13 08:47

TPP交渉参加反対デモ、東京と福岡で! [花うさぎの「世界は腹黒い」2]

クリック2回のご支援を   東京は200人超す、福岡は30-40人が参加    日本 が 世界 に 誇 る 皆医療保険制    TPP参加で崩壊の危機 を 訴え!  野田総理の曖昧な「TPP交渉参加表明」から明けた12日の日曜日、…

2011/11/13 08:28

TPPの成れの果て [加藤賢治の政治評論]

TPPあれこれ TPPは、 シンガポールの ゴー・チョクトン前首相 が発案した経済連携協定で、 2006年5月に、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ の4か国でスタートしたものだが、 2008年…

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