この点に関連して、日本の農業は決して弱くないのだ、いう見解が朝日新聞のコラムに出ていました。「経済展望台」というコラムです。
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消費税と農産品関税は政治的過敏症を引き起こす、二つの特別な税のようだ。この話題になる と、反対の大合唱が巻き起こる。しかし「日本経済に決定的災厄が引き起こされる」とヒステリックなものが多く、単に現状を 変えたくないといっているに過ぎない。
消費税の話も混迷を極めているが、現在、政界、農業界をあげて反対の大合唱はTPP(環太平洋連携協定)交渉への参加問題に向けられている。この協定が目 指す関税撤廃の思想が逆鱗に触れているようだ。いわく彼我の農業の生産性格差は絶対的であり、TPPにより我が国の農業が壊滅的な打撃を受けるという。
40年前にさかのぼるオレンジ交渉、その後の果実をめぐる交渉でも、こうした主張は繰り返されてきた。だが、日本の果実農業が壊滅した事実はない。
また、オース トラリアやアメリカの極端な大規模農業と比べ、とても日本はかなわない、という安易な結論が独り歩きしている。しかし、日本農業の生産性が国際的にみて、本当に低いという証拠 もない。
筆者は日本のコメ農家の物的生産性は世界一級であるとの実感を持っている。苗、田植え、草取り、水位調整、防虫、収穫の一連の作業を観察すると、機械 化、その他の技術進歩によって大幅に省力化され、実際の投入時間当たりの生産高は極めて高い。その証拠に、水田にはいつ行っても人影は少なく、農家の多く は兼業、さらに言えば副業である。
したがって専業化と大規模化を進めれば、同じ農家人員で現在の何倍もの生産収量を得ることは容易なことである。むしろTPPを、この高い潜在性を顕在化させる政策を議論する好機とすべきだ。
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/trackback/2503340
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2011/11/13 02:03
>果実農業が壊滅した事実はない。
地元のブドウ農家が消えた。
みかん農家も半減した。
イチゴ農家も・・・・、
そんな事ばかり言ってると、
農業保護からの脱却が出来そうにもない。
日本も頑張ってみるかぁってとこですかね。
2011/11/13 05:53
古森様、おはようございます。
農業は、壊滅はしないが大きな影響は受けるだろう、とは思います。
また、大きな影響がなければ意味がないとも言えます。
まあ、TPPというのは、
他国の農産品を買うことを強制的に義務付ける制度ではありませんので、
それほどに他国のものは買うべきではないと思うのなら、
買わなければいいのであって、それは自由です。
今回の反対運動のようなパワーがあるのなら、ぜひ同じ情熱をもって、
日本の農産物は素晴らしい、ということを宣伝すべきですね。
日本国内にも海外にも。
もし太刀打ちできないというのなら、
農家あるいは農協自身が直接海外に向き合い、主体的に、
自ら輸入し自ら出資し自ら土地を得て自ら生産しようとすべきでしょうね。
いずれにしろ農家の子弟自身が農家を継ごうとせず、
継いでも嫁不足で悩み、娘を農家に嫁がせようともしない状況で、
現状維持ための反対運動には猛烈な情熱を注いでいるようではダメでしょう。
2011/11/13 07:19
2011/11/13 07:22
王マイゴッド さん
おはようございます。
同感ですね。
農家の方々もすでにものすごい保護を受けてきたわけですから、じり貧を脱する画期的な対策をみずから考え出してほしいですね。
2011/11/13 07:34
>だが、日本の果実農業が壊滅した事実はない。
耕作放棄地が増えていますけど、そのことは無視なんですね。
機械化すすめればいいとか、簡単にいうけどロボットが自動的に製品にならない果実を摘果するとかの技術が、安価に開発して配備できるのかと問いたいですね。
ついでに言うとTPPにおける農業の問題は一部に過ぎません。もっと大きな問題が一杯です。今までFTA等の交渉を進めていたのはなんだったのでしょうね。
個別に交渉して有利な協定を結んでいたのに。
で、TPPに早くしなければルール作りに携われないから急げというお話でしたが、ルール作りに参加なんて遅すぎて加われません。冷や飯を食うことになるのは分かり切っていたのに。
http://www.asahi.com/politics/update/1112/TKY201111120192.html
オバマ米大統領が12日朝にホノルルで開く環太平洋経済連携協定(TPP) 交渉9カ国の首脳会合に、野田佳彦首相が招待されない見通しであることが11日わかった。9カ国が積み上げた交渉の成果を大枠合意として演出する場に、交 渉参加を表明したばかりの日本は場違いとの判断が背景にあるものとみられ、TPP交渉の厳しい「洗礼」を受ける形だ。
もう、大枠合意出来ているから、後から来る阿呆は入れたくないそうですわ。
2011/11/13 10:06
To f4phantomさん
> ついでに言うとTPPにおける農業の問題は一部に過ぎません。もっと大きな問題が一杯です。今までFTA等の交渉を進めていたのはなんだったのでしょうね。
>個別に交渉して有利な協定を結んでいたのに。
世界には、100を超えるFTA/EPAを締結した国もありますが、日本はまだ署名済 15・批准済 16 と完全に出遅れています。それは、関税を残す品目を多数要求する日本の態度が、相手国のニーズとマッチしないからです。大局的には
「個別最適を優先するあまり、全体最適にならない好例」
だと思います。このところ「韓国に出遅れた」という言い方をする論者と、それに対して「韓国なんか参考にならん」という論者とを見ますが、これはどちらも視野が狭い。
実際には、「世界的に見て出遅れ」、すなわち「日本は対韓国だけでなく、中国あるいはその他のNIES諸国に対しても、世界市場で不利な状態に追い込まれている」のです。
この点でよく誤解されているのが経済産業省の「EPAの推進について」で、
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0003410/012_00_04.pdf
掲載されているデータは「日本は対韓国だけでなく、中国あるいはその他のNIES諸国に対しても、世界市場で不利な状態に追い込まれている」を訴えているのに、文言では「韓国に比べて遅れている」ところを強調しすぎて、そこだけが独り歩きしてしまいました。
> で、TPPに早くしなければルール作りに携われないから急げというお話でしたが、ルール作りに参加なんて遅すぎて加われません。冷や飯を食うことになるのは分かり切っていたのに。
そう言っていると、さらに遅れてしまうけど‥‥ という考え方もあります。個人的には小泉ジュニアの「拙速ではなく遅すぎ」派なので、実に歯がゆい思いをしてますが。
2011/11/13 10:17
すいません、自己フォローです。
> 日本はまだ署名済 15・批准済 16 と完全に出遅れています。
投資協定と間違えました(しかも数値が逆転)。FTA/EPAに関しては、2011年10月末時点で日本はまだ署名済 13・発効済 12(ASEAN 含む) でした。
2011/11/13 13:27
To 遠州報國隊さん
>世界には、100を超えるFTA/EPAを締結した国もありますが、日本はまだ署名済 15・批准済 16 と完全に出遅れています。それは、関税を残す品目を多数要求する日本の態度が、相手国のニーズとマッチしないからです。大局的には
相手の儲かるように話を持って行けば、簡単にFTAやEPA締結できるでしょう。日本の国益を考えた対応が必要ですよ。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/11/03/0200000000AJP20111103002800882.HTML
韓国と欧州連合(EU)間の自由貿易協定(FTA)が発効して以来、韓国の対EU輸出は5.5%減少し、輸入は22.0%増え、貿易収支が大幅に悪化したことが分かった。
馬鹿が功を焦るとこうなる。民主党の阿呆共にやらせたらこうなるのがおちだ。
2011/11/13 13:37
To f4phantomさん
>http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/11/03/0200000000AJP20111103002800882.HTML
>韓国と欧州連合(EU)間の自由貿易協定(FTA)が発効して以来、韓国の対EU輸出は5.5%減少し、輸入は22.0%増え、貿易収支が大幅に悪化したことが分かった。
その記事の後半は、こうなってますね。
“黒字規模は前年同期比に比べ、4分の1水準に落ち込んだ。関税庁は船舶輸出が減少した上、航空機輸入が大幅に増えたことが原因とし、一時的な現象と説明した。
一方、FTAを通じて関税減免を受ける自動車や、自動車部品、石油製品などは輸出が大幅に増加するなど、202品目のうち137品目の輸出が増加。FTA効果が幅広く波及していると評価された。”
日本経済新聞の解説とか、朝鮮日報(日本語版)の記事を読むと、直接的には EU の景気悪化や、中国との競争に負けて韓国の輸出が減った・輸入は外貨建てなのでウォン安で名目金額がハネ上がった、という要因もあるようです。
FTAについては、1・2年してみないと判らないと思います。そして、アダム・スミス以来の鉄則ですが、「国際的に比較優位にある産業に資源と資本を集中すること」ができれば、効果は上がります。それができない国は、失敗しますね。
日本の場合、既得権によって産業政策が捻じ曲げられがちなので、そこが懸案事項だと思います。その典型が、農政ですけど。
2011/11/13 13:46
補足として、「貿易黒字の絶対額」を重視する重商主義に対する批判を引用しておきます。
“貿易黒字になるか赤字になるかはどうでもよい。 黒字は対外債権、赤字は対外債務だが、企業が債務をもっていても返済できれば問題ないのと同じである。輸出するのは輸入の代金を払うためであり、輸出代金 をためこんでもしょうがない。そのように外貨を稼ぐこと自体に意味があると錯覚するのが、アダム・スミスも批判した重商主義である。”
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51752213.html
最終的に重要な指標は、実質GDPの伸び、だと思いますよ。
2011/11/13 14:30
To 遠州報國隊さん
>最終的に重要な指標は、実質GDPの伸び、だと思いますよ。
妥当だね。
本来の意味において入超が問題になるのは10~15年を経てからのインパクトとして、ということなんだけどね。かってのアメリカが入超だとの由で問題視したのは10年以上を経てもなお循環しないことに苛立ったから。たとえばアヘン戦争以前のイギリスの入超は明らかに問題だった。イギリスは売り物にすべき価値を産することがなかったからだ。
が、ロジスティックの簡便化・廉価化が進んだ今日なら、入超物資が別資産を構成して逆輸出もしくは第三国への転用ともなりうる。そこに日本茶が混じるのか半導体がトッピングされるかは別にして、低きを得ればさらに流れようとするのが経済の本質である。
一本一円のバナナを手に、ただ食べることしか発想しない恐るべき人々にとっては、たしかに貿易自由化は大問題なんだろう(笑)
2011/11/13 18:28
>最終的に重要な指標は、実質GDPの伸び、だと思いますよ。
で貿易収支が大幅に減ってGDPが伸びるかということですが、外需に依存している韓国にとってはGDPの減につながります。
>FTAについては、1・2年してみないと判らないと思います。
確かに短期でみるのは難がありますが、現状のウォン安で輸出の増えるべき局面でこれでは、今後も厳しいでしょうね。貿易収支は減少した状態が続くでしょう。
2011/11/13 18:39
To f4phantomさん
>で貿易収支が大幅に減ってGDPが伸びるかということですが、外需に依存している韓国にとってはGDPの減につながります。
韓国が発展途上国か?という議論はサテオキ、発展途上国は自国で製造できない資本財(生産設備)を輸入するしかなく、工業化がはじまったとき、あるいは生産技術の革新を行うときには、一時的に貿易収支が大幅に減ります。重視すべきなのは、Kinny さんが書いておられた
> 本来の意味において入超が問題になるのは10~15年を経てからのインパクト
です。輸入超過が継続的に続けば問題ですが、黒字基調が継続している中での、四半期一回分の黒字幅減少では、まったく参考になりません。1年間続けてずっと黒字幅が減少するとか、貿易収支が赤字になったとかいう事態にならなければ、そこまでの判断はムリだと思います。
2011/11/13 21:41
> 本来の意味において入超が問題になるのは10~15年を経てからのインパクト
そういうことについて、国民的な議論を行っておらず、国会でも十分議論がされていないのに民主党が勝手に決めて動き出しているのが問題です。
呈示されたメリットも10年分でも大した金額でない。TPPを論じるより為替や金融政策の議論をするべきでしょう。
現在の為替で失われる損失を放置して見当違いの方策に入れ込むのは間違いです。まあ、民主党ってそういう方向ばかりですけどね。
原発の問題を放置して脱原発とか喚く総理とか顔も見たくない。
2011/11/13 21:55
To f4phantomさん
>> 本来の意味において入超が問題になるのは10~15年を経てからのインパクト
>
>そういうことについて、国民的な議論を行っておらず、国会でも十分議論がされていないのに民主党が勝手に決めて動き出しているのが問題です。
‥‥話題を変えるのは構いませんが、前後の繋がりがヘンですよ(笑)
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